シロアリのカタカタ音とは?壁や床から聞こえる音の正体と確認方法を解説
はじめに
壁や床下からカタカタという音が聞こえると、「もしかしてシロアリ?」と不安を感じる方は多いです。シロアリは家屋の木材を内部から食い荒らす害虫で、被害が進行すると修繕費が数十万円から数百万円に膨らむこともある深刻な問題です。一方で、カタカタという音が必ずしもシロアリのサインとは限らないことも事実で、ネズミなどの害獣や家の構造的な変化によって発生するケースも少なくありません。この記事では、シロアリが出す音の仕組みや、音以外の被害サイン、自分でできる確認方法、そして駆除・修理の費用相場までを詳しく解説します。音が気になっている方は、まず正確な知識を持って状況を判断することが大切です。
シロアリはカタカタという音を出すのか

シロアリが「カタカタ」という音を出すという話を耳にしたことがある方も多いと思います。これは全くの誤りではなく、シロアリには実際に音を発する特有の行動があります。ただし、その音の正体や仕組みを正確に理解しておかないと、誤った判断をしてしまう可能性があります。
警戒音(タッピング)とはどんな音か
シロアリが「カタカタ」または「カタカタカタ」という音を出す行動は「タッピング」と呼ばれ、仲間への警報・警戒音の一種です。外部から振動や衝撃を感じたとき、シロアリは危険を知らせるために頭部を床や壁に打ちつけて振動を発生させます。この振動が人間の耳には「カタカタ」という音として聞こえることがあります。コロニー内の仲間たちはその振動を体で感知し、危険から逃げるなど集団として反応します。音の性質としては非常に小さく断続的なため、静かな夜間に集中して耳を当てないと聞き取れないことがほとんどです。
タッピングを行うのは「兵アリ」という個体
タッピング行動を主に担うのは、シロアリのコロニーの中でも「兵アリ」と呼ばれる個体です。兵アリは頭部と顎が大きく発達しており、外敵への対応を専門とする役割を持っています。コロニー全体に占める兵アリの割合はそれほど多くはありませんが、外部の脅威を最初に感知するセンサーとして機能しており、その警告シグナルがコロニー全体を守っています。壁の中でカタカタという音がするということは、壁の内部でシロアリのコロニーが活発に活動しているサインである可能性があります。
かじる音はほとんど聞こえない
「シロアリが木材をかじる音が聞こえる」と思っている方もいますが、実際には木材をかじる音は非常に小さく、人間の耳ではほとんど聞き取れません。シロアリは湿気を帯びた柔らかい木材を好んで食べるため、乾燥した硬い木をかじるときのような大きな音は発生しないのです。壁や柱の中でカタカタという音が聞こえた場合、それがシロアリのかじる音そのものである可能性は低く、警戒音(タッピング)か、あるいは別の原因による音と考えるのが適切です。
カタカタ音の原因がシロアリ以外の場合もある
壁や屋根裏、床下からカタカタという音が聞こえたとしても、その原因は必ずしもシロアリとは限りません。他の害獣や家の構造的な変化によっても同様の音が発生することがあるため、音だけで判断せず複合的に確認することが重要です。
ネズミ・イタチなどの害獣による音
屋根裏や壁の中からカタカタ・カリカリという音が聞こえる場合、ネズミやイタチが侵入している可能性が十分あります。これらの害獣は壁の隙間や床下に入り込み、木材や断熱材をかじる音を出します。シロアリとの違いとして、害獣による音は活動時間帯が主に夜間に集中し、複数の音源から連続して音が移動するように聞こえるという特徴があります。ネズミやイタチも放置すれば家屋へのダメージや衛生問題を引き起こすため、早めの対応が必要です。
家の構造や気温変化による音
木造住宅では、気温や湿度の変化によって木材が膨張・収縮し、カタカタ・キシキシという音を発することがあります。特に季節の変わり目や暖房器具を使い始めた直後など、温度変化が大きい時期に音が出やすくなります。また、築年数が経つにつれて接合部のゆるみが生じ、人が歩くたびに音が出ることもあります。このような構造上の音は木材の自然な動きによるものであり、シロアリ被害とは切り分けて考える必要があります。音が特定の時間帯だけに起きる場合や、気候の変化と連動している場合は、構造的な原因を疑うとよいでしょう。
ゴキブリや他の害虫による音
壁内でゴキブリなどの害虫が活動している場合にも、カサカサ・カタカタという音が聞こえることがあります。ゴキブリは夜行性のため、深夜から早朝に音がする場合はゴキブリを疑う判断材料のひとつになります。シロアリとは異なり、ゴキブリによる家屋への構造的なダメージは小さいですが、衛生面での問題があるため、なるべく早めに対策を取ることが望ましいです。音だけで原因を特定することは難しいため、後述する他のサインと合わせて総合的に判断しましょう。
シロアリ被害を示す音とその他のサイン
カタカタという音そのものはシロアリ被害の決定的な証拠にはなりません。シロアリが住宅内に存在しているかどうかを判断するには、複数のサインを組み合わせて確認することが重要です。音以外にも確認すべきシロアリ被害のサインをまとめます。
床を踏んだときのきしみや沈み込み
フローリングや廊下を歩いたときに以前より床がきしむようになったり、特定の場所で沈み込みを感じるようになった場合は、床材の下がシロアリに侵食されている可能性があります。シロアリは木材の内部から食べ進めるため、表面は正常に見えても内部が空洞化していることが多いです。一点に集中した沈み込みや、歩くたびに出るきしみ音など、以前と比べて明らかに異なる感触があった場合は注意が必要です。床を踏んだときの音と感触の変化は、早期発見の重要なヒントになります。
柱や壁を叩いたときの空洞音
健全な木材を叩くと「コンコン」という重い音がしますが、シロアリに食害された木材を叩くと「ポコポコ」「コポコポ」といった軽い空洞音が返ってきます。内部が食べ尽くされ、外側の薄い皮だけが残っている状態になっているためです。屋内の柱や壁を拳や木槌で叩き比べることは、シロアリ被害の早期発見に非常に有効な方法です。玄関まわり、浴室・洗面所周辺、床の束柱(つかばしら)、窓枠など、湿気が溜まりやすい箇所を重点的にチェックすることをおすすめします。
羽アリの大量発生
春から初夏(4〜6月ごろ)にかけて羽アリが大量に発生した場合、シロアリのコロニーが成熟して飛翔タイミングを迎えたサインです。羽アリはコロニーを拡張するために飛び立つ生殖アリで、窓枠や浴室まわり、床付近から群れで出てきます。シロアリの羽アリと黒アリの羽アリは見た目が似ていますが、シロアリは胴体のくびれがなく、前後の翅の大きさがほぼ同じという特徴で区別できます。羽アリを多数目撃したら、コロニーが家の中に存在する強い証拠であるため、すぐに専門業者に調査を依頼しましょう。
自分でできるシロアリ被害の確認方法

専門業者に依頼する前に、自分でできる簡易的な確認方法があります。以下のチェックを行うことで、シロアリ被害の可能性をある程度把握できます。ただし、自己診断はあくまで目安であり、確認できないからといってシロアリがいないとは言い切れないことに注意してください。
柱・壁を叩いて音の変化を確認する
壁や柱を手の甲や木槌で端から端まで叩き比べて、音に変化がある箇所を探します。食害を受けた木材は軽く乾いた空洞音が返ってくるため、周囲と明らかに音が異なります。玄関の柱、浴室・キッチン周辺の壁、床下の束柱など、湿気が多くなりやすい場所を重点的に確認しましょう。音の変化があった場所は内部が空洞になっている可能性が高く、その情報は専門家に相談する際の重要な材料になります。定期的に同じ箇所を叩いて音を比較しておくと、変化に気づきやすくなります。
床下・基礎付近で蟻道を探す
シロアリは光を嫌うため、コンクリートの基礎や配管に沿って泥で作った「蟻道(ぎどう)」というトンネルを形成して移動します。蟻道は茶褐色または灰褐色の細長いトンネル状の構造物で、基礎の立ち上がり部分や床下の木材に付着していることが多いです。床下点検口がある場合は懐中電灯を持って覗き込み、基礎や木材に沿った蟻道がないかを確認します。蟻道を発見したら、シロアリが現在も活動中である強力な証拠ですので、すぐに専門業者へ連絡してください。
水回り・湿気の多い場所を重点的にチェックする
シロアリは湿気を好み、湿った木材から侵食を始めることがほとんどです。お風呂・洗面所・キッチンなどの水回り、雨漏りした箇所、結露が多い窓枠まわりは特にシロアリが侵入しやすい環境です。床材が柔らかく感じる場所や、フローリングが浮いてきている箇所がある場合は、水漏れとシロアリ被害が同時進行している可能性もあります。日頃から水回りの状態を定期的に点検する習慣をつけることが、シロアリ被害の予防と早期発見に直結します。
シロアリ被害を放置するとどうなるか
「まだ音が気になる程度」「実際に被害が出ているか分からない」という状態で放置してしまう方も少なくありませんが、シロアリ被害は早期対処が非常に重要です。放置することによって生じるリスクを具体的に理解しておきましょう。
建物の耐震性が大幅に低下する
シロアリが柱や梁、土台といった構造材の内部を食い荒らすと、木材の強度が著しく低下します。表面上は問題がなく見えても内部が空洞に近い状態になっているため、地震が発生した際に通常の揺れでは倒壊しないはずの建物が崩れてしまう危険があります。日本は地震が多い国であるため、構造材の強度低下は住まいの安全性に直結する深刻なリスクです。「シロアリはいるかもしれないが、今は大丈夫」という楽観的な判断が、後に取り返しのつかない被害につながることがあります。
被害が拡大すると修繕費用が大幅に増加する
シロアリのコロニーは適切な環境があれば継続的に成長し、侵食範囲も拡大し続けます。初期段階で発見・駆除できた場合は費用を比較的小さく抑えられますが、被害が床下全体や柱・壁全体に及ぶころには構造補強を含む大規模なリフォームが必要になります。早期発見した場合と放置した場合とでは、最終的な修繕費用が数十万円から数百万円単位で差がつくことも珍しくありません。少しでも不安な症状があれば、早めの相談が結果的に出費を大きく抑えることにつながります。
住宅の資産価値に影響する
シロアリ被害が発覚した住宅は、不動産としての評価が下がります。また、売買時の瑕疵担保責任に関わるため、被害があった事実は隠せません。将来的に住宅を売却することを検討している場合でも、シロアリ被害を早期に解決しておくことは資産価値を守るうえで重要な選択です。修繕が完了していれば評価への影響を最小限に抑えられるため、発覚した時点で早めに対処することをおすすめします。
シロアリ駆除と床修理の費用相場
シロアリ被害が確認された場合、まず専門業者に駆除を依頼し、その後に食害を受けた床材や柱のリフォームを行う流れが一般的です。費用の目安を把握しておくことで、計画を立てやすくなります。
シロアリ駆除の工法と費用
シロアリ駆除の代表的な工法は「バリア工法」と「ベイト工法」の2種類です。バリア工法は薬剤を床下に散布してシロアリの侵入を防ぐ方法で、費用の相場は1坪あたり6,200〜8,300円程度です。ベイト工法は毒餌(ベイト剤)を設置してコロニーごと駆除する方法で、1坪あたり9,300〜12,000円程度かかります。一般的な一戸建て(25〜30坪程度)では、バリア工法で15万〜25万円、ベイト工法で23万〜36万円が費用の目安となります。駆除後に5年保証などの保証期間が付く業者を選ぶと、再発時の安心感が高まります。
床修理・構造補強の費用目安
シロアリ被害によって床材や根太が損傷している場合、駆除後に修理・補修工事が必要です。床材の部分的な張り替えや根太の補強だけであれば、1箇所あたり5万〜15万円程度で対応できることが多いです。被害範囲が広い場合や、柱・梁の強度が著しく低下している場合は耐震補強工事が伴い、費用が大きく変わります。駆除と床修理を一括して対応してくれる業者に依頼すると、複数の業者とやり取りする手間が省けるため効率的です。
業者選びのポイント
シロアリ駆除・修理業者を選ぶ際は、複数社から見積もりを取ることが大前提です。極端に安い金額を提示する業者は施工内容が不十分だったり、後から追加費用を請求されたりするケースがあるため注意が必要です。公益社団法人日本しろあり対策協会に加盟している業者は、技術・倫理面での一定基準を満たしていることの目安になります。また、施工後に保証書を発行し、保証期間中の再発に対応してくれる業者を選ぶことで、長期的な安心を得られます。
まとめ
壁や床下からカタカタという音がした場合、それがシロアリの警戒音(タッピング)である可能性は否定できませんが、ネズミなどの害獣や家の構造変化によって発生するケースも多くあります。音だけで判断するのではなく、床のきしみや沈み込み・柱を叩いたときの空洞音・蟻道の有無・羽アリの出現といった複数のサインを組み合わせて確認することが重要です。シロアリ被害は早期発見・早期対処が何より大切で、放置すると建物の耐震性が低下し、修繕費用が大幅に膨らむリスクがあります。駆除費用はバリア工法で1坪6,200〜8,300円程度、ベイト工法で1坪9,300〜12,000円程度が目安ですが、初期段階で対処できれば総費用を大きく抑えることができます。少しでも気になる症状があれば、自己判断で放置せず、早めに専門家へ相談することを強くおすすめします。
床のきしみ・沈み込みでお困りの方へ
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