シロアリは冬でも活動している?知らないと損する基礎知識と対策方法
「冬は寒いから、シロアリの心配はいらない」と思っていませんか?実は、シロアリは気温が下がっても巣の中で静かに活動を続けています。家の構造や立地によっては、冬の間にも深刻な被害が進行することがあります。
この記事では、「シロアリは冬にどう活動するのか」「どのような被害が起こりやすいのか」「冬でもできる対策」について、解説します。
冬だからといって油断せず、早めにシロアリ対策を始めましょう。
シロアリは冬でも活動しているの?気になる基本情報

この章では、シロアリの基本的な性質と、冬でもなぜ活動が止まらないのかを解説します。
シロアリは冬でも巣の中で活動している
シロアリは変温動物であり、気温が低くなると動きが鈍くなる傾向がありますが、完全に活動が停止するわけではありません。特に巣の中は断熱効果があり、外気より温かいため、内部での活動は続いています。
シロアリの巣内部は年間を通じて一定の温度と湿度が保たれており、冬でも産卵やエサ運びなどの行動が行われていると報告されています。
つまり、気温が低くなることで動きが鈍くなることはあっても、完全に活動が止まるわけではないのです。
このことからも、冬の間もシロアリ対策は必要不可欠であると言えるでしょう。
冬でも気温が安定している場所では活動が続く
住宅の中でも、床下や壁の中などは外の気温の影響を受けにくい場所です。特に断熱材が使われている家では、冬でも20℃前後の温度が保たれていることが多く、シロアリにとって活動しやすい環境が作られています。
そのため、暖房で暖められた室内近くの構造材や、地熱の影響で冷えにくい基礎周辺では、冬でもシロアリが木材を食べて被害を与える可能性があります。
見えない場所で進行するため、発見が遅れることが多く、気づいた時には被害が広範囲に及んでいるケースもあります。
冬場の静かな活動こそ、もっとも注意が必要なのです。
寒さに強いヤマトシロアリは冬も油断できない
日本に生息する代表的なシロアリには「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」がいます。特にヤマトシロアリは寒さに比較的強く、北海道の一部地域にも分布しているほど、低温環境でも活動できる種類です。ヤマトシロアリは、地中から家屋の基礎部分や柱、土台に侵入し、内部から木材を食い荒らします。気温が下がる冬でも、活動を完全に止めることはなく、特に湿気が多くて暖かい場所を好みます。
日本しろあり対策協会の資料によれば、ヤマトシロアリは10℃以下でも巣内での活動を続けているケースが確認されているとのことです。
そのため、冬でも安心せず、年間を通じた対策が必要といえるでしょう。
住宅の床下など暖かい場所が活動スポットになりやすい
床下や壁の中、ユニットバスの下など、外気が直接届かない場所は、冬でもシロアリの活動スポットとなります。特に床下は、地熱によって外気より暖かく、湿気もこもりやすいため、シロアリにとって理想的な環境です。
また、給湯器や暖房設備の配管周辺など、人間が普段確認しにくい場所も、シロアリにとって安全な移動経路となることがあります。
冬でも被害が進行する可能性があるため、目視ではなく、定期的な専門業者による点検が推奨されています。
これらの場所は特に注意が必要な「盲点」といえるでしょう。
シロアリの冬の間の巣の中での動きとは
この章では、冬の間にシロアリの巣の中でどのような行動が見られるかを解説します。
女王アリが卵を産み続けている
シロアリの女王アリは、巣の中心にいて繁殖活動を担っています。イエシロアリでは1日数百〜数千個、ヤマトシロアリでも1日に数十〜数百個の卵を産むことが確認されています。
この産卵は気温に大きく左右されることなく、巣内の温度が安定している限り、冬でも継続されます。つまり、寒いからといって繁殖が止まることはないのです。
そのため、冬の間も新しい個体が増え、春の羽アリシーズンに向けて準備が進んでいます。
これが「冬の間も油断できない」と言われる理由の一つです。
働きアリが巣の修復やエサ運びをしている
女王アリが産んだ卵を育てるのが働きアリの役割です。働きアリは、エサの確保や巣の修復、衛生管理など多くのタスクをこなします。
冬の間も、巣の中で必要な作業を淡々と続けているため、外からは見えなくても、内部では着実にシロアリ社会が機能しています。
特に寒さで木材が乾燥し、割れ目やすき間が生じると、そこに侵入しやすくなるため、被害のリスクが高まる季節でもあります。
こうした行動は人間の目では確認しにくいため、冬場の油断が致命的な結果を招くこともあります。
シロアリの冬に見られる被害の特徴

この章では、冬に見られやすいシロアリ被害の特徴と、気づきにくいポイントを解説します。目に見える被害が少なくても、内部では大きな損傷が進んでいる可能性があります。
木材内部だけが食われて表面は無傷のまま
シロアリは暗く湿った場所を好むため、木材の表面ではなく、内部を先に食い進めます。特に冬は活動が表面に現れにくいため、外から見ると無傷でも、内部が空洞化しているケースが多く見られます。
このような状況は、「叩くと空洞音がする」「工具で触れたら崩れた」などの形で発見されることが多く、気づいた時には大がかりな補修が必要になることもあります。
表面がきれいだからといって、被害がないとは限らない点に注意が必要です。
特に床下や柱、土台など目視で確認しにくい部分では、プロの点検が推奨されます。
床が沈む・ミシミシと音が鳴る
冬場に家の中を歩いていて「床が沈む」「ミシッと音が鳴る」と感じたら、それはシロアリ被害の初期兆候かもしれません。
床下の根太や大引きがシロアリによって食害を受けると、木材の強度が低下し、わずかな荷重でもたわみやきしみが生じやすくなります。
気温や湿度の変化によって一時的に木材が収縮することもありますが、継続的に音がする、床が不自然に沈むといった症状が見られる場合は注意が必要です。
冬でも進行するシロアリ被害の見逃しを防ぐため、異変に気づいたらすぐに点検を行いましょう。
壁紙が浮いてきたりシミができる
壁や柱の中でシロアリが活動すると、内部の湿気が上昇し、表面に影響を与えることがあります。その結果、壁紙が浮き上がったり、シミのような跡が残ることがあります。
このような症状は「雨漏り」や「結露」と間違われることが多いため、見逃されがちです。しかし、原因がシロアリによる被害であったケースも実際に多く報告されています。
特に冬場は乾燥しやすい季節であるため、急な湿気や浮きはシロアリ被害の可能性を疑うべきサインです。
放置せずに、専門家に見てもらうことが早期発見につながります。
断熱材や基礎周りへの被害が出やすい
シロアリは木材だけでなく、断熱材(発泡スチロール系)や紙、段ボールなども食害することがあります。特に基礎断熱工法を採用している住宅では、断熱材にシロアリが侵入し、巣を作ってしまうケースも報告されています。
また、断熱材の中は温かく、湿気もこもりやすいため、冬でもシロアリが快適に活動できる環境となりやすいです。
基礎周辺や断熱材の接合部に土の道(蟻道)が見つかった場合は、すぐに調査・対策を行う必要があります。
近年の住宅ほど断熱性能が高く、このような被害が見えにくくなっているため、より注意が必要です。
冬に気をつけたいシロアリの兆候と見分け方
冬でも見逃せないシロアリ被害のサインを、わかりやすくご紹介します。早期発見のポイントを押さえましょう。
床下に湿気やカビ臭がある
シロアリが好む環境は、「高湿度」「暗い場所」「温かい空間」です。床下に湿気がこもっていたり、カビ臭がする場合は、シロアリがすでに侵入している可能性があります。
湿気が原因で木材が腐り始めると、それを好むシロアリが集まりやすくなるという悪循環も発生します。
冬場は換気の頻度が少なくなり、空気がこもりやすいため、湿気の発生に特に注意が必要です。
床下点検口を開けてニオイを感じたら、必ずチェックしてみましょう。
木材を叩くと空洞音がする
シロアリ被害に遭った木材は、中が空洞になっていることがあります。そのため、木槌やドライバーの柄で叩いたときに「ポンポン」と軽い音がする場合は注意が必要です。
健康な木材なら「コンコン」と詰まった音がするため、音の違いで判別できます。
これは誰でも簡単にできるチェック方法ですが、見落としがちな部分や床下などはプロによる点検が効果的です。
不安がある場合は、専門業者による無料点検を検討しましょう。
羽アリの死骸や糞が見つかる
冬でも暖かい室内や床下で活動していた羽アリが、死骸や脱皮殻を残していることがあります。また、シロアリの糞は砂粒のような形をしており、木材のそばに落ちていることがあります。
小さなサインでも、複数見つかった場合は被害が進行している可能性が高いです。
羽アリは春に出現する種類が多いですが、暖房の影響で冬でも一部が飛び出すことがあります。窓辺や床付近に死骸が落ちていないか確認してみましょう。
少しでも異常を感じたら、専門業者に相談するのが安心です。
冬でも基礎のひび割れや土の道(蟻道)を確認
外壁の基礎部分にヒビが入っていたり、土でできた細い道のようなもの(蟻道)が発見された場合は、シロアリの通り道である可能性が高いです。
特に、基礎断熱や床下断熱を採用している住宅では、温かさがシロアリを呼び寄せる原因にもなります。
冬は見に行くのが億劫になりがちですが、蟻道は外気温に関係なく作られるため、チェックは重要です。
蟻道が確認された場合は、ただ壊すのではなく、原因とルートを把握するためにも、まず専門家に相談しましょう。
冬にできるシロアリの効果的な対策方法とは

冬でもシロアリの活動は完全に止まっているわけではないため、今のうちにできる対策を行うことが大切です。ここでは、住宅の構造や環境に応じた効果的な予防方法を紹介します。
床下の通気性を良くして湿気を防ぐ
シロアリが好むのは「湿った」「風通しの悪い」「暗い」場所です。そのため、床下の通気性を高めることが最も基本的かつ効果的な対策となります。
基礎の換気口が物でふさがれていないか、通気口の周囲に落ち葉やゴミが溜まっていないかなどを定期的に確認しましょう。
また、住宅の構造によっては「床下換気扇」の設置を検討するのも有効です。湿度を下げることで、シロアリが寄りつきにくい環境を作ることができます。
風通しを良くするだけで、被害のリスクを大きく下げることが可能です。
断熱材や木材の定期点検を行う
特に冬は、床下断熱材の中や構造材のつなぎ目にシロアリが侵入しやすくなっています。そのため、断熱材の膨れ・変色・浮きなどを点検することが非常に重要です。
また、木材部分についてもヒビ割れや浮き、カビの発生が見られないかを確認し、異常がある場合は専門業者の点検を受けると安心です。
冬場は活動が表に出にくいので、「何も見えないから大丈夫」とは限らないということを常に意識しておきましょう。
年に1回の点検をルーティンにするのがおすすめです。
予防薬剤の散布で侵入を防ぐ
床下に薬剤を散布することで、シロアリの侵入を長期間にわたって防止することができます。現在の薬剤は臭いや刺激も少なく、人体やペットに配慮された製品も多く登場しています。
防蟻処理の効果は一般的に5年程度が目安とされていますが、定期的な再処理によって高い予防効果を維持することが可能です。
特に冬の間はシロアリの移動が制限されているため、薬剤が行き渡りやすく、駆除や予防に適したタイミングでもあります。
信頼できる業者に依頼することで、安心・安全な処理が可能です。
シロアリセンサーや監視用の罠を設置する
最近では、床下や基礎周りに設置できる「シロアリ監視センサー」や「誘引トラップ」も一般向けに販売されています。これらを活用することで、活動が活発化する春を前に、シロアリの存在を早期に察知できるようになります。
とくに新築から数年が経過している家では、予防的な措置として設置を検討する価値があります。
スマホと連携できるタイプや、光センサーで反応を感知する製品など、進化したアイテムも登場しています。
定期的な点検+センサーの併用が、最も効果的な早期発見の手段となるでしょう。
シロアリは冬でも駆除は可能?業者に頼むべきタイミング
「冬に駆除しても意味がないのでは?」と思われがちですが、実は冬こそシロアリ対策に適した時期です。ここでは、その理由と業者に依頼するベストタイミングを解説します。
冬でも駆除は可能で、むしろ対策に最適な時期
冬でもシロアリは巣の中で活動しており、被害の進行が止まるわけではありません。実際、冬は巣の場所が特定しやすく、薬剤が行き渡りやすいため、駆除作業には適した季節とされています。
また、羽アリの発生が少ない冬の間に対策しておけば、春からの本格的な繁殖シーズンに備えることができるのです。
冬場に点検・予防を済ませておくことで、費用面や工事面でもスムーズに対応できます。
業者の予約も取りやすいため、積極的に活用したいタイミングです。
被害が少ないうちに駆除すれば費用も安く済む
シロアリ駆除の費用は、被害の程度や施工面積によって変わります。被害が浅い段階であれば、工事範囲が狭く、結果的に費用も抑えることができます。
逆に、発見が遅れ大規模な補修が必要になると、数十万円単位の修繕費がかかることも珍しくありません。
「冬は活動が少ないから」と油断せず、軽微なサインでも見逃さずに点検・駆除を検討することが、家を長持ちさせるカギになります。
早期発見・早期対応が、経済的にも最も合理的な選択です。
羽アリが出ない冬だからこそプロの点検が重要
春に出現する羽アリは、シロアリ被害に気づくきっかけになりますが、冬はそのサインが見られないため、逆に被害の発見が遅れがちです。
そのため、羽アリが出る前の冬のうちに、プロによる点検を受けることで、目に見えない内部被害を発見することができます。
点検自体は無料で実施している業者も多く、報告書や写真付きの診断結果を提供してくれるところもあります。
定期的にプロの視点でチェックしてもらうことが、最大の予防になります。
信頼できる業者に無料点検を依頼するのがおすすめ
現在は、多くのシロアリ駆除業者が「無料点検サービス」を提供しています。このサービスを利用して、冬のうちに被害の有無を確認しておくことが非常に効果的です。
ただし、業者の選定は慎重に行う必要があります。日本しろあり対策協会に加盟している業者や、しろあり防除施工士の資格を持つ担当者がいるかどうかを確認すると安心です。
「無料点検→強引な営業」という悪質なケースもあるため、口コミや対応実績もチェックしましょう。
信頼できる専門家と一緒に、早めの対策を始めましょう。
冬のシロアリに関するよくある質問

ここでは、冬に関するシロアリ対策でよく聞かれる疑問を、Q&A形式でわかりやすく解説します。
冬に羽アリが出ることはある?
基本的に羽アリは春〜初夏に飛び立つ種類が多いですが、暖かい室内や断熱材内部では、冬でも羽化する可能性があります。
特にイエシロアリなどは、人工的な暖房環境下で冬に発生する例も報告されています。
冬に羽アリの死骸を見かけたら、早急に専門業者の点検を依頼しましょう。
季節に関係なく、見つけた時が対処のタイミングです。
シロアリと普通のアリの見分け方は?
シロアリと普通のアリは外見がよく似ていますが、決定的な違いがあります。
シロアリ:触角がまっすぐ/胴体が寸胴/羽が同じ大きさ
普通のアリ:触角がくの字に曲がっている/胴体がくびれている/羽が前後でサイズが違う
この3点を覚えておけば、見分けは難しくありません。
ただし、正確な判別は専門家に依頼するのが安心です。
冬でも家の外から侵入してくるの?
はい、シロアリは土中や基礎のすき間を通って、冬でも外部から侵入する可能性があります。
地中温度は比較的安定しており、凍らない地域ではシロアリが活動を継続しているケースもあります。
外壁の基礎にヒビや隙間がある場合は、早めに補修して侵入経路を断ちましょう。
家の外回りの確認も、冬のうちに済ませておくと安心です。
冬の間だけの対策でも効果はある?
冬だけの対策でも、正しく行えばシロアリ被害を軽減する効果は十分にあります。
特に予防薬剤の散布や点検は、シロアリの繁殖シーズンが始まる春に向けた重要なステップです。
ただし、一時的な対策だけではなく、年間を通じた環境整備と予防意識が重要です。
季節に関係なく、継続的な対策を心がけましょう。
まとめ:シロアリに対しては冬でも油断せずに早めの対策を
シロアリは冬でも活動を完全に止めることはなく、巣の中や床下などで静かに被害を進行させています。
「冬だから安心」という油断が、取り返しのつかないダメージにつながる可能性があります。
湿気対策・予防薬剤の活用・定期点検・専門業者への相談など、今すぐできる対策は数多くあります。
被害が進む前に行動を起こすことで、家を守るだけでなく、将来的なコストも抑えることができます。
見えない場所で進行するシロアリ被害に対して、冬こそが対策を始めるチャンスです。この記事を参考に、今日からできる予防を始めてみてください。
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今回の記事では、冬のシロアリについて解説いたしました。
この記事を読んで、シロアリ被害を受けた家の修理を依頼することを検討しているけれども、どの業者に依頼すれば、理想の形に仕上げてくれるのか分からないという方が多いのではないでしょうか。
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