シロアリの進行速度はどれくらい早い?被害と予防のすべて
シロアリは住宅の構造を内側から破壊する、非常に厄介な害虫です。見た目では被害に気づきにくく、発見したときには建物の安全性に関わる深刻な被害が進んでいることも少なくありません。
この記事では、日本でよく見られるシロアリの種類や進行速度、被害の広がるスピード、予防方法までを、詳しく解説します。
「シロアリって本当にそんなに早く被害が広がるの?」「うちの家は大丈夫?」と不安に思っている方は、ぜひ最後までお読みください。
シロアリの進行速度はどれくらい早いのか?

シロアリの被害スピードは種類や環境によって異なりますが、1日で木材数グラムを食べるケースもあるとされています。
1日に木材を5g以上食べることもある
イエシロアリの1コロニーには数万〜100万匹の個体が生息しており、1日で5g以上の木材を消費することが可能とされています。
これは住宅の床下や柱などの構造材に重大な損傷を与えるペースであり、定期的なチェックを怠ると、知らない間に建物全体が危険にさらされます。
とくに、湿気が多い地域や、築年数が古い木造住宅では、被害が進行しやすい傾向があります。
1日5gの木材を1年間続けると約1.8kgになりますが、これは床下の数本の柱をボロボロにする量です。
1年間で1軒の家をボロボロにすることもある
実際に、日本国内ではシロアリによる建物全体の腐朽・倒壊事例が数多く報告されています。
とくにイエシロアリは建物全体に短期間で広がる能力があり、1年以内に家屋の主要構造を破壊するケースも確認されています。
築年数の古い住宅では、土台・束柱・床板などが空洞化し、床が抜ける事故につながった例もあります。
進行速度が速いからこそ、早期発見と定期的な点検が不可欠です。
ヤマトシロアリとイエシロアリで進行速度が違う
日本に多く生息するのは「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」の2種です。
ヤマトシロアリは湿った木材を中心に加害し、被害範囲は比較的小規模ですが、イエシロアリは乾いた木材にも加害し、建物全体に広がる性質があります。
また、イエシロアリは加害速度が非常に早く、複数の経路から同時に建物へ侵入するため、知らない間に屋根裏まで被害が及んでいることもあります。
この進行速度の差を理解して、適切な対策を取ることが大切です。
シロアリの進行速度によって被害が広がるまでの時間は?
シロアリは目に見える場所に現れにくく、被害が広がっても気づきにくいのが特徴です。そのため、発見したときにはすでに建物の一部がボロボロになっていることもあります。
被害が広がるまで数ヶ月〜1年以内が多い
一般的に、シロアリ被害は数ヶ月〜1年ほどで住宅全体に広がるリスクがあります。
とくにイエシロアリの場合、建物の外壁から侵入し、柱や梁・屋根裏などあらゆる部分に被害が及ぶ可能性があります。
シロアリの巣が家のすぐ近くや床下にある場合は、数週間で床が沈むほどの被害になることも珍しくありません。
そのため、長く住んでいる家ほど、早めの点検・防除が必要です。
気づいたときには深刻なダメージを受けていることが多い
シロアリは木材の内部から食害を進めるため、外から見ても被害に気づきにくいです。
「気がついたときには床がふわふわする」「柱を叩くと中がスカスカ」などの症状が出て初めて気づくケースが多く、すでに補修が必要な状態になっていることもあります。
外から見えない=安心、ではないという認識が必要です。
被害を最小限に抑えるには、年1回程度の定期点検が効果的です。
水回りや床下から一気に家全体に広がる
シロアリは湿気を好むため、浴室・トイレ・キッチンなどの水回りや床下から侵入するケースがほとんどです。
そこから木材内部に潜って食害を広げ、建物全体に被害を及ぼすことがよくあります。
とくに床下に換気口がなく、通気性が悪い住宅では、床下全体がシロアリの温床になってしまうことも。
水漏れや湿気の多い箇所は、日常的にチェックしましょう。
シロアリの進行速度が速い理由とは?

シロアリの加害速度が早いのには、いくつかの明確な理由があります。生態の特徴を理解することで、より効果的な対策が見えてきます。
24時間休まず活動し続けるから
シロアリは昼夜を問わず24時間活動しています。寝ることなく、木材を掘り進めて食べ続けるため、加害が進むスピードが非常に早いのです。
人間が気づかない間にも、床下や柱内部では被害が拡大していることがあります。
そのため、「少しぐらい大丈夫だろう」と放置すると、1ヶ月後には修復が困難になるケースも。
日中に活動しないから安全という認識は誤りです。
コロニー(巣)が数万〜数十万匹と非常に大きいから
イエシロアリの1コロニーは、最大で100万匹規模にもなると言われています。
数十万匹のシロアリが一斉に木材を加害するため、その破壊力は非常に強力です。
加害箇所が1ヶ所だけで済むとは限らず、複数の経路から侵入する可能性があります。
この特性を逆手に取って、巣そのものを駆除するベイト工法などの手法が効果的です。
木材の内部を掘り進みながら外から見えにくく被害を広げるから
シロアリは木材の表面を残しつつ内部を空洞化させて進行します。これにより、外観からは被害が進んでいることがわかりづらくなります。
また、蟻道(ぎどう)と呼ばれるトンネルを作り、光や風を避けながら移動します。
このため、見た目に異常がない=無被害とは言えません。
小さな変化に気づけるよう、日常的なチェックとプロの点検が必要です。
シロアリの進行速度と被害の兆候を見分けるポイント
シロアリ被害にいち早く気づくには、日常的な観察が重要です。以下のような兆候があれば、すでに被害が進んでいる可能性があります。
床が沈む・ミシミシ音がする
床を歩いたときに沈んだような感覚があったり、「ミシミシ」と音がする場合は、床板や根太がシロアリに食害されている可能性があります。
特にキッチンや洗面所など、水回りの床にこうした症状が出た場合は要注意です。
体重をかけたときにたわんだり、不自然な軋みがあるなら、すぐに専門業者に相談しましょう。
早期発見であれば補修も最小限で済むことが多いため、違和感を見逃さないことが大切です。
壁や柱を叩くと空洞音がする
木造住宅では、柱や壁の一部が空洞のようにポコポコと響く音を出すことがあります。
これはシロアリが内部を食い荒らして空洞化している証拠かもしれません。
正常な木材は「コツコツ」と詰まった音がしますが、被害箇所は「ボコボコ」や「ペコペコ」と響く場合があります。
目視で異常がない場合でも、音の違いはシロアリ被害を発見する手がかりになります。
羽アリが大量に発生する
春から初夏にかけて、羽アリが大量に発生するのはシロアリの繁殖活動のサインです。
とくに4月〜7月にかけての雨上がりの夕方に羽アリが出る場合は、ヤマトシロアリの可能性が高いとされています。
家の中や外壁、玄関周りで見つけた場合は、すでに建物内部に巣がある恐れがあります。
羽アリ=シロアリではないため、正確な判別と調査が重要です。
蟻道(ぎどう)が見つかる
シロアリは光や乾燥に弱いため、土や木くずで作ったトンネル状の通路=蟻道を使って移動します。
基礎部分や床下、外壁と地面の間などで茶色い土のような線が見つかれば、それは蟻道である可能性大です。
蟻道は活発なシロアリ活動の証拠でもあり、見つけたら絶対に壊さず、専門業者に相談しましょう。
壊してしまうと、シロアリが警戒して別の場所に移動する恐れがあります。
家の種類や環境によってシロアリの進行速度は変わる?

同じシロアリでも、家の構造や周囲の環境によって進行速度や被害の範囲は大きく異なります。シロアリ対策の際には、こうした条件も考慮する必要があります。
木造住宅は被害の進行が特に早い
当然ながら、木造住宅はシロアリにとって格好のターゲットです。柱・床・壁など、食害の対象となる木材が豊富にあるため、被害が深刻化しやすい傾向にあります。
在来工法で建てられた家は、床下に湿気がこもりやすい構造も多く、特に注意が必要です。
築年数が古い木造住宅では、防蟻処理が施されていないケースもあります。
シロアリ対策の第一歩は、「木造住宅はリスクが高い」という認識を持つことです。
床下の湿気が多い家はシロアリが好む
シロアリは湿気を非常に好みます。床下の換気が悪い、排水が漏れている、雨水が溜まりやすいといった条件は、シロアリの活動を促進します。
床下の湿度が高いと、木材が腐朽菌により弱くなり、さらにシロアリが加害しやすくなるという悪循環に陥ります。
湿気が多い家は、防腐・防蟻処理と同時に換気・排水改善も行うことで被害を減らせます。
対策としては、床下換気扇や調湿剤の導入が有効です。
築年数が古い家ほど注意が必要
古い家ほど、過去に防蟻処理が行われていない、または効果が切れている場合があります。
また、使用されている木材が乾燥・劣化しており、シロアリにとって加害しやすい状態になっていることも多いです。
築20年以上の家では、予防処理を行っていない場合、被害のリスクが急激に高まるとされています。
古い家に住んでいる方は、一度専門業者によるシロアリ診断を受けることを強くおすすめします。
断熱材や基礎の構造によって進行ルートが異なる
最近の住宅では、床下に断熱材や配管、パネルなどが多く設置されているため、シロアリが目視で発見されにくくなっています。
また、ベタ基礎や布基礎といった基礎構造の違いも、侵入経路や進行ルートに影響を与えます。
「ベタ基礎は安心」と思われがちですが、施工の隙間や配管周りから侵入されるリスクもあるため、油断は禁物です。
住宅の構造に合わせた対策が必要になります。
シロアリの進行速度を抑えるために今すぐできる対策
シロアリの進行速度は非常に早いため、「気づいてから動く」では遅いことも。今すぐ始められる対策を紹介します。
定期的に床下の点検をする
まず最も重要なのが年1回の床下点検です。
自分で見ることが難しい場所ですが、業者による無料点検を活用すれば、早期に被害を発見できます。
とくに4月〜6月は、羽アリの発生時期でもあるため、この時期の点検は重要です。
異常がなくても、定期的な記録を残すことで被害の兆候を比較・分析しやすくなります。
信頼できる業者に予防処理を依頼する
シロアリ被害を防ぐには、信頼性のある業者に防蟻処理を依頼することが有効です。
薬剤散布やベイト工法など、住宅の状況に合わせた方法を提案してくれる業者を選びましょう。
日本しろあり対策協会に登録された業者であれば、一定の技術と信頼性が保証されています。
相見積もりを取って、費用や対応を比較するのも大切です。
家の周りに不要な木材や段ボールを置かない
庭やベランダ、物置に古い木材や段ボールが放置されていると、シロアリの餌場になりやすいです。
とくに、地面に接して木材を置くと、そこから住宅へ侵入するケースが非常に多いです。
不要な木材・紙類は早めに処分し、屋外の整理整頓を心がけることが大切です。
「屋外の雑然とした環境=シロアリの入り口」と認識しましょう。
床下の湿気対策を行う
シロアリが最も好むのは、ジメジメした床下環境です。
換気口をふさがないよう注意し、床下換気扇や防湿シートを導入することで、湿気をコントロールできます。
また、排水の水漏れや雨水が溜まる構造になっていないかも点検しましょう。
湿気対策はシロアリ予防だけでなく、カビや腐朽菌の発生防止にもつながります。
まとめ|シロアリの進行速度と被害の予防ポイント

シロアリは短期間で深刻な被害を与える
シロアリは1日5g以上の木材を食害し、1年以内に建物をボロボロにする可能性すらある、非常に進行速度の早い害虫です。
外から見えない場所で活動しているため、気づいたときには大きな被害になっていることも少なくありません。
早期発見・定期点検が何よりの予防になる
年に1度の点検だけでも、被害の早期発見・早期対応につながります。とくに床下や水回りは重点的にチェックしましょう。
小さな異常でも見逃さず、羽アリの発生や蟻道の発見時はすぐに専門家へ相談することが大切です。
業者による定期的なチェックと予防施工が安心
信頼できる業者に依頼すれば、自分では見えない床下や構造内部までしっかり点検してくれます。
さらに、防蟻処理やベイト工法など、住宅に最適な予防策も提案してもらえます。
放置せず、早めの行動が住宅を守る第一歩です。
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今回の記事では、シロアリの進行速度について解説いたしました。
この記事を読んで、シロアリ被害を受けた家の修理を依頼することを検討しているけれども、どの業者に依頼すれば、理想の形に仕上げてくれるのか分からないという方が多いのではないでしょうか。
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