シロアリ末期の症状と対策ガイド|建物の寿命と安全を守るために今できること
シロアリは建物の土台や柱など、家の「骨組み」を内側から食い荒らす非常に厄介な害虫です。特に、被害が進行した「末期」の状態になると、日常生活に支障が出るだけでなく、建物の倒壊や数百万円単位の修繕費用が発生するリスクもあります。
本記事では、「シロアリ被害が末期になると何が起きるのか?」をわかりやすく解説。さらに、症状の見分け方、放置リスク、再発防止策、専門家の頼り方まで具体的にご紹介します。
「今の住まい、大丈夫かな?」と不安な方も、この記事を読むことで正しい判断と対策ができるようになります。家族の安全、そして大切な資産である住宅を守るために、ぜひ最後までお読みください。
シロアリ末期の被害はどれくらい深刻なのか?

シロアリによる被害が進行し「末期」と呼ばれる状態になると、家の構造自体が崩れてしまうほど深刻になります。特に木造住宅においては、地震や台風などの自然災害に対する耐久性が著しく低下するため、命に関わる問題に発展することもあります。
建物の土台が空洞化して強度が落ちる
シロアリは木材の内部を好んで食べるため、柱や土台などが外見上は問題なく見えても、内部がスカスカで強度がほぼゼロになっていることがあります。これは「空洞化」と呼ばれる典型的な被害です。
シロアリは木材の柔らかい部分から食べ始め、数か月〜数年で構造全体に被害が広がるケースもあります。特に床下や見えない部分の被害は気付きにくく、進行しやすいため、発見時にはすでに末期ということも珍しくありません。
床が沈む、傾くなどの生活に支障が出る
末期状態では、床下の根太や大引きといった床を支える木材が損傷しているため、歩くと床が沈んだり、ブカブカした感覚になることがあります。さらに被害が進むと、建物全体が歪み、傾きが出ることも。
これは単なる老朽化ではなく、シロアリ被害が原因で構造にゆがみが出ているサインです。日々の生活に支障が出るレベルまで放置されている場合、早急に専門業者の点検が必要です。
リフォームでは済まないケースがある
被害が末期に達している場合、単なる表面的なリフォームでは不十分です。たとえば床の張替えやクロスの貼り直しだけでは、構造材に巣くうシロアリを根本的に駆除できないため、数か月後に再発することもあります。
また、腐食した柱や土台は交換・補強が必要となり、部分リフォームでは対応できず、数百万円規模の「構造改修」工事が必要となることも少なくありません。
地震や台風で倒壊の危険が高まる
日本しろあり対策協会と木耐協の調査によれば、阪神淡路大震災や熊本地震で倒壊した木造住宅の中に、シロアリ被害の形跡があった事例が多数報告されています。つまり、耐震性が弱いだけでなく、シロアリが原因で倒壊リスクが倍増するのです。
特に台風の暴風や長雨による湿気が重なると、すでに弱った構造が耐えられず、倒壊や床の陥没といった重大事故につながる恐れがあります。自然災害に備える意味でも、シロアリ対策は欠かせません。
シロアリ末期によく見られる5つの症状とは
シロアリの被害が末期に差しかかると、家の中で明らかな異変が現れるようになります。ここでは、実際に多くの家庭で確認されている代表的な5つの症状をご紹介します。
床がブカブカして沈む感覚がある
これはもっとも多く見られる末期の症状の一つです。床板を支える下地(根太、大引き)がシロアリに食われて強度が失われているため、歩くたびに沈んだり、違和感を覚えるようになります。
特に台所、洗面所、トイレなど水気の多い場所は被害が出やすく、注意が必要です。
壁や柱を叩くと中が空洞のような音がする
柱や壁に耳を近づけて軽く叩いてみてください。中がスカスカになっていると、「ポコポコ」「コツコツ」といった空洞音がします。これはシロアリが内部を食べ尽くしている証拠です。
特に築10年以上経過していて、定期点検を受けていない住宅では要注意です。
羽アリが大量に発生する
シロアリは4〜7月の湿気が多い時期に「群飛(ぐんぴ)」という繁殖行動を取ります。このとき、羽アリが数十〜数百匹単位で室内や窓付近に出現します。これはすでに家の内部に巣が存在しているサインです。
羽アリの形や行動パターンを観察し、「黒くて翅が大きい」「翅が4枚とも同じ大きさ」などの特徴があれば、ほぼシロアリと断定できます。
木くずやフンのようなものが落ちている
シロアリは木材を食べる際、木の繊維を細かく砕いて排出します。その結果、木くずのような粉や、黒っぽい粒状のフンが床や壁際に落ちていることがあります。これは、被害が内部でかなり進んでいるサインです。
特に押し入れの奥、畳の下、床下換気口付近など、普段目にしない場所に現れることが多く、気づきにくいため注意が必要です。
ドアや窓の開け閉めがしづらくなる
建物が歪むと、ドアや窓の建てつけに影響が出ます。スムーズに開閉できなくなったり、無理に閉めると引っかかるようになったりする場合は、シロアリによる構造の変形が原因かもしれません。
特に湿気の多い時期に悪化するようであれば、木材が水分を含み、より一層シロアリにとって好条件になっている可能性も高いです。
シロアリ末期の症状を見逃すとどうなる?放置のリスク

シロアリ被害を放置することは、住宅の価値、修繕費、そして住む人の命にまで関わる重大なリスクを伴います。ここでは、被害を見逃した場合の具体的なリスクを4つ紹介します。
修繕費用が数百万円以上に膨らむ
シロアリ被害を放置すると、修繕費が200万円〜500万円になるケースがあります。特に構造体の交換や補強が必要になると、リフォーム費用では済まず、大規模改修になることも。
初期段階であれば、数万円〜十数万円程度で駆除できるため、早期発見が費用を抑える最大のポイントです。
家全体の資産価値が大幅に下がる
住宅売買の際、シロアリの履歴があると、物件価値が20〜30%下落すると言われています。また、購入希望者が警戒して契約に至らないケースも増えています。
さらに、住宅ローン審査に影響を与えたり、瑕疵(かし)担保責任の対象となったりすることもあるため、売却を考えている人にとっても深刻な問題です。
火災保険などの補償対象外になることがある
多くの火災保険では、「シロアリ被害」は経年劣化や自然損耗として扱われ、補償対象外となることが一般的です(※保険会社によって異なります)。
つまり、修繕費用はすべて自己負担になる可能性が高いため、事前の対策や定期的な点検が重要となります。
家族の安全が脅かされる
耐震性の低下や床の陥没は、住んでいる人の命に関わるリスクを伴います。特に高齢者や小さな子どもがいる家庭では、床の抜けや転倒事故にもつながりやすく、早期対策が不可欠です。
「今までは大丈夫だったから」という理由で放置せず、危険が現実になる前に行動しましょう。
シロアリ末期の状態を見極めるためのチェックポイント
自宅が末期のシロアリ被害にあっているかを判断するには、いくつかのチェックポイントがあります。以下の項目を参考に、簡単にセルフチェックしてみてください。
基礎や床下にヒビや湿気がないか確認する
建物の基礎部分にひび割れがあったり、床下に湿気がこもっていると、シロアリが住みつきやすい環境になります。特に、通気口がふさがっていたり、結露が発生している場合は要注意です。
晴れた日に懐中電灯で床下点検口を開け、湿り気やシミがないか確認するのが効果的です。
羽アリの発生時期(4〜7月)を意識する
羽アリが家の中に出現するのは主に4月〜7月です。この時期に羽アリを複数回目撃したら、すでに建物内部に巣があると考えるのが一般的です。
特に夕方から夜にかけて、窓や照明に集まる習性があるため、室内で見かけた場合はすぐに駆除業者へ連絡しましょう。
木材部分を指で押してみて柔らかいかチェックする
柱や土台の露出している部分を指で押してみて、ブスッと簡単に沈み込むようであれば、すでに内部が食われている可能性が高いです。木材の反発力がない、乾いた音がしないといった場合も要注意です。
特に玄関の框(かまち)や和室の敷居など、湿気がたまりやすい箇所を重点的にチェックしましょう。
床下点検口を開けてシロアリの痕跡を探す
シロアリは地面から木材までの間に蟻道(ぎどう)と呼ばれる泥の通り道を作ります。床下の基礎に蟻道が付着していたら、被害は進行中です。
蟻道は地面から基礎コンクリートの立ち上がりに沿って作られているため、目視で確認できることもあります。見つけたら即プロに相談しましょう。
無料のシロアリ診断を活用する
多くの大手シロアリ駆除業者では、無料の床下点検・被害診断サービスを提供しています。自分で判断できない場合は、専門家の目でチェックしてもらうのが確実です。
診断だけなら費用もかからず、しつこい営業をしない業者を選べば、安心して相談できます。
シロアリ末期の家でも間に合う対策方法とは?

たとえシロアリ被害が末期であっても、正しい対策をすれば建物の寿命を延ばすことが可能です。ここでは、今すぐできる5つの対処法をご紹介します。
専門業者による駆除をすぐに依頼する
自力での駆除は、末期の被害には不十分です。専門のシロアリ駆除業者に早急に依頼することが最優先です。業者は巣の位置、被害範囲、建物の構造に応じて最適な方法で駆除を行います。
信頼できる業者選びには、「しろあり防除施工士」などの資格保有者がいるかをチェックしましょう。
バリア工法やベイト工法で再発を防ぐ
シロアリ駆除には「バリア工法(薬剤散布)」と「ベイト工法(巣ごと駆除)」の2種類があります。被害の進行状況に応じて併用することで、再発防止効果が高まります。
近年では低臭・低毒性の薬剤も増えており、子どもやペットがいる家庭でも安心して施工できます。
被害箇所の木材を交換・補強する
駆除後も、すでに食害を受けた木材は交換または補強しなければ建物の強度が保てません。専門業者と相談し、必要な部位を特定して修繕を進めましょう。
柱や土台などの構造体が被害を受けている場合は、大工工事が必要になることもあります。
湿気対策でシロアリの住みにくい環境を作る
シロアリは湿気を好むため、床下換気扇の設置や除湿剤の活用、通風口の掃除などで環境を改善することも重要です。定期的に換気を行い、床下の湿度を40〜60%程度に保つことが理想です。
雨水が建物の下に溜まらないよう、雨どいや排水のメンテナンスも忘れずに行いましょう。
定期点検で早期発見を続ける
駆除後も、1〜2年に一度はプロの点検を受けることで、再発を防げます。特に築年数が10年以上経過している家では、定期点検が不可欠です。
一度でも被害にあった家は再侵入のリスクが高まるため、継続的なチェックが安全維持につながります。
シロアリ末期に関するよくある質問とその答え
ここでは、シロアリ被害の末期に関して多くの方が抱く疑問をQ&A形式で解説します。専門機関の知見や実務経験に基づいた内容なので、ぜひ参考にしてください。
シロアリ駆除の費用はどれくらい
駆除費用は、建物の広さや被害の範囲、使用する工法によって異なります。一般的には、1㎡あたり1,000円〜2,000円前後が相場で、戸建住宅全体では10万円〜20万円程度が多いです。
ただし、被害が末期に近づいている場合は、駆除費に加えて修繕費が必要になるため、数十万円〜百万円以上になることもあります。必ず事前に見積もりを取りましょう。
シロアリ被害の家でも売却できる?
売却は可能ですが、「告知義務(こくちぎむ)」があるため、シロアリ被害の履歴を正しく伝える必要があります。また、買主から価格交渉をされたり、契約後にトラブルとなるケースもあるため注意が必要です。
事前に駆除済みであること、修繕履歴を明確に伝えることで、安心感を与えやすくなります。
築浅の家でもシロアリは発生する?
はい、築年数に関係なく、条件が整えばシロアリは発生します。とくに床下の通風が悪い、水漏れがある、外部との隙間があるといった場合は、築5年以内の新築でも被害が出ることがあります。
むしろ「新しいから大丈夫」と思い込んでいると、発見が遅れて末期まで進行してしまうこともあるため、築年数に関係なく定期点検は必須です。
市販の薬剤で対応できる?
市販のシロアリスプレーや粉剤は、一時的な効果は期待できますが、建物内部にある巣や女王アリを駆除することは難しいです。末期の被害ではまったく歯が立ちません。
また、自己判断で薬剤を使っても被害の拡大を防げず、逆にプロの駆除を難しくするケースもあります。気になる症状があれば、まずは点検だけでも依頼することをおすすめします。
定期的な点検はどれくらいの頻度で必要?
公益社団法人日本しろあり対策協会では、5年に1回以上のシロアリ点検を推奨しています。ただし、過去に被害があった家や、湿気が多い地域では1〜2年に1回の点検が理想です。
多くのシロアリ業者では無料点検を実施しているので、点検時期を逃さず定期的に確認しておきましょう。
まとめ|シロアリ末期の症状を知り、早めの対策を

シロアリの被害は静かに、そして確実に家の中で進行します。「床が沈む」「羽アリが出る」「柱が空洞音」などの末期症状が出ているなら、すでに建物の強度は大きく低下している可能性があります。
そして、そのまま放置すれば、倒壊リスク、修繕費の高騰、資産価値の下落、そして家族の安全が脅かされるという深刻な問題に直面することになります。
ですが、心配は不要です。今すぐ行動すれば、手遅れになる前に被害の拡大を止めることができます。被害が深刻になる前に、次のアクションを取りましょう。
・羽アリや床沈みなどの症状に気づいたらすぐに記録する
・信頼できるシロアリ業者に無料点検を依頼する
・被害状況に応じて早めの駆除・補強を検討する
シロアリ対策は「備えあれば憂いなし」。大切なマイホームと家族の未来を守るために、早め早めの対応を心がけてください。
住まいの修理は、私たちみんなのお家の修理屋さんにお任せください
今回の記事では、シロアリ被害の末期について解説いたしました。
この記事を読んで、シロアリ被害を受けた家の修理を依頼することを検討しているけれども、どの業者に依頼すれば、理想の形に仕上げてくれるのか分からないという方が多いのではないでしょうか。
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